分詞

分詞(Participle)とは、動詞が変化して、形容詞や副詞のような働きをするようになった形のことです。

分詞の最大のポイントは、「動詞」でありながら「形容詞」の働きもできるという、二刀流の性質を持っていることです。

2つの分詞:現在分詞と過去分詞

分詞には、「現在分詞」と「過去分詞」の2種類があります。

分詞の種類主な意味イメージ
現在分詞 (Present Participle)動詞の -ing 形〜している (能動・進行)動作が進行中
過去分詞 (Past Participle)動詞の -ed 形 など〜される/された状態 (受動・完了)動作が完了または受け身

💡 注意点

「現在」分詞、「過去」分詞という名前ですが、時制(いつのことか)とは直接関係ありません。動作の**性質(進行中か、完了・受動か)**を表していると考えると分かりやすいです。


1. 現在分詞(-ing形)の役割

現在分詞は、主に「〜している」という能動的な動作や進行中の状態を表します。

① 形容詞として名詞を修飾する

名詞の前に置かれて、その名詞が「自分で〜している」ことを説明します。

  • A sleeping baby.(眠っている赤ちゃん)
    • [赤ちゃんが自分で眠っている]
  • The running water.(流れている水)
    • [水が自分で流れている]

② 進行形を作る

  • be動詞と組み合わせて、現在進行形過去進行形を作ります。
    • She is watching TV.(彼女はテレビを見ている。)
    • They were talking when I entered.(私が入ったとき、彼らは話していた。)

2. 過去分詞(-ed形)の役割

過去分詞は、主に「〜された」という受動的な状態や、動作が完了していることを表します。

① 形容詞として名詞を修飾する

名詞の前に置かれて、その名詞が「〜される」状態にあることを説明します。

  • A broken window.(割れた窓)
    • [窓が誰かによって割られた状態]
  • The written letter.(書かれた手紙)
    • [手紙が誰かによって書かれた状態]

② 完了形・受動態を作る

  • have / has / had と組み合わせて、完了形を作ります。
    • I have finished my homework.(宿題を終えた。)
  • be動詞と組み合わせて、受動態を作ります。
    • The book was published last year.(その本は昨年出版された。)

3. 最難関!分詞構文

分詞構文は、分詞を使って「接続詞+主語+動詞」からなる副詞節(時、理由、条件など)を簡潔にする文法です。

分詞構文の作り方(基本)

  1. 接続詞を消す。 (When, Because, Ifなど)
  2. 主節(メインの文)と同じ主語を消す。
  3. 残った動詞を現在分詞(-ing形)に変える。
副詞節を使った文分詞構文和訳の例
When I heard the news, I was surprised.Hearing the news, I was surprised.その知らせを聞いて、私は驚いた。
Because she had a fever, she stayed home.Having a fever, she stayed home.熱があったので、彼女は家にいた。

過去分詞から始まる分詞構文

副詞節の動詞が受動態be動詞 + 過去分詞)の場合、be動詞を消して過去分詞から始める形になります。

  • (Because it was) Written in easy English, the book is popular.
    • (易しい英語で書かれているので、その本は人気がある。)

確認問題

次の文の()には現在分詞(-ing形)と過去分詞(-ed形/不規則変化)のどちらが入るでしょうか?

  1. Look at the ( ** ) cat on the roof. (sleep)
  2. The money ( ** ) from my wallet is gone. (steal)
  3. The movie was ( ** ). I was so bored. (bore)
  4. ( ** ) the window, I saw my friend. (open)

<details>

<summary>解答</summary>

  1. Look at the sleeping cat on the roof.(屋根の上で眠っているネコを見てください。)
    • ネコが自分で「眠っている」ので現在分詞 (能動)。
  2. The money stolen from my wallet is gone.(私の財布から盗まれたお金がなくなっている。)
    • お金が誰かに「盗まれた」ので過去分詞 (受動)。
  3. The movie was boring. I was so bored.(その映画は退屈なものだった。私はとても退屈した。)
    • 主語である映画が「退屈させる」原因なので現在分詞(映画は退屈させるもの)。
  4. Opening the window, I saw my friend.(窓を開けて、私は友達を見た。)
    • 分詞構文。主語(私)が「開ける」という動作を能動的に行ったので現在分詞。

</details>

分詞の概念は少し複雑ですが、**「動作の性質(しているのか、されたのか)」**に注目して、一つずつ例文を理解していけば必ずマスターできますよ!

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